Browsed by
Author: Aki Morita, Psy.D.

森田 亜紀, Psy.D. 臨床心理学博士・グリーフケアスペシャリスト 兵庫県出身。大阪の一部上場企業で3年勤めた後、1990年渡米。日本語教師を経て、2000年ニューヨーク州コロンビア大学・ティーチャーズカレッジカウンセリング学科修士、2007年ロングアイランド大学臨床心理学科博士過程修了。同州ベルビュー病院で2年のエクスターン修了、ロングアイランド・ジューイッシュ・メディカルセンタ(現:ノースショア・ロングアイランド・ジューイッシュ・ヘルスシステム)にてインターン修了。2007年から2年間ノースキャロライナ州、カリフォルニア州で全寮制の教育施設で行動療法コーチ、クリニカルディレクターを務める。2009年にハワイに移住し、ハワイ東海インターナショナルカレッジのカウンセラーを経て、2012年から2019年までホスピスハワイにて遺族ケアコーディネーターとして終末期医療のグリーフケアに関わる、2019年夏帰国。現在横浜を拠点に国内外で講演・教育・執筆活動を精力的にこなす。 Aki Morita, Psy.D. Clinical Psychologist Grief Care Specialist Dr. Morita was born and raised in Hyogo, Japan. After having to work at an international corporation in Osaka for three years, she relocated to the United States in 1990. For years, she has taught multiple levels of Japanese language courses for business executives and others. She received a Masters Degree (M.A.) from Columbia University, Teachers College (New York) in Counseling in 2000 and a Doctoral Degree (Ph.D.) from Long Island University (New York) in Clinical Psychology in 2007. She successfully completed a two-year externship from Bellevue Hospital and an internship at Long Island Medical Jewish Center. Between 2007-2009 she worked with children with behavioral and health issues in North Carolina and California. She moved to Hawaii in 2010 and worked at Hawaii Tokai International College as a counselor. In 2012 she assumed a position as a Bereavement Coordinator at Hospice Hawaii and provided grief care for patients and families as well as those who were bereaved in the community. She returned to Japan on 2019. She is currently completing her manuscript for her first book entitled “The Miracle of Saying Goodbye” while publishing, teaching and lecturing in the United States, Europe and Japan.
グリーフサークル4月参加者募集開始

グリーフサークル4月参加者募集開始

これまでグリーフサークルは医療従事者対象で開催してきましたが、4月からはグリーフケアやサポートに従事している方にもご参加いただけます。参加募集が8名と限られていますので、ご興味のある方はお早めにご検討ください。定員に達し次第、募集を締め切らせていただきます。

1月には介護支援事業所単位で8名ご参加いただき、大きな成果を感じました。「仲間と深い関係が築けた」「支えあう環境があることで穏やかな暮らしや仕事につながると感じた」「仲間がいることや支えがあることが感じられ大切な時間になった」などの感想があり、参加者のグリーフケアだけでなく、職場でのグリーフサポートコミュニティーが育まれたと実感しました。

病院や事業所単位でお申し込みをお考えの方は、ぜひご相談ください。

「グリーフとおよぐ」刊行

「グリーフとおよぐ」刊行

いよいよあと1週間ほどで、拙書が書店に並びます。

第1作目『極上の別れの条件』はアメリカのホスピスの現場に9年いた軌跡を綴ったものですが、『グリーフとおよぐ』はご遺族が自分で、自分のペースで取り組めるワークブックです。FBで少しずつ内容をご紹介していきたいと思います。と、その前に、素敵なレビューをいただいたので、そのご紹介から。葛西先生、ありがとうございました!

「死別の悲嘆という大海に漂う人が、たどりつける新天地を見きわめるために、道しるべとなる本。でも推したいのは、手を差し伸べたいと思う人へ…..手にとっていただきたい本です。」

葛西賢太

上智大学大学院実践宗教学研究科死生学専攻教授

上智大学グリーフケア研究所所員

ペットロスどうしてますか?

ペットロスどうしてますか?

12月14日に愛知県にある介助犬総合訓練センター「シンシアの丘」にお邪魔しました。ペットも今や家族同様、いや家族以上のコンパニオンです。ペットとの関わりや、ファシリティドッグ、ペットセラピーなど事例なども紹介しながら、お話ししました。

Public Health Palliative Care International Conferece in Switzerland

Public Health Palliative Care International Conferece in Switzerland

少し時間が経ってしまいましたが、去年の10月22日から25日までスイスのベルンで開催された学会に出席しました。

「病気や死、グリーフを生きる」ということを、医療現場ではなく生活の場で支えるために、研究者、医療従事者、プラクティショナーが集まり、コンパッションコミュニティーについて学び合いました。

今回医療従事者に対するグリーフ教育やグリーフケアを通して、医療の現場にコンパッションコミュニティーを広げる取り組みの一環として、私が主催するグリーフサークルについて昨日発表の機会をいただきました。

沖縄に在宅ホスピスができました

沖縄に在宅ホスピスができました

7月に美里にできた「いきがいの家」に見学にお邪魔しました。終末期の患者さんが住み慣れた地域で、医療や介護を受けながら、家にいるように生活ができます。8部屋はそれぞれに雰囲気が違うデザインになっていて、穏やかな気持ちになりました。例え一人で入所しても、温かいいきがいの家ファミリーがコミュニティーとなりしっかり見守ってくれそうです。

私がいたハワイのホスピスにも5床の施設がありました。患者さんの訪問で立ち寄るといつもスタッフが優しく迎えてくれて、お昼の時間に重なると、台所でスタッフと一緒に食事をしたものでした。くつろげるリビングがあって、芝生のお庭に小さいプールがあって、患者さんを訪ねてくる子どもたちがそこで水遊びをしている時もありました。ここは心地よくて、私たちスタッフのホッとできる居場所でした。

こうして終末期をどう過ごすのか、どこで過ごすのか、日本でもっと選択が増えていくことを願います。

グリーフサークル@沖縄県立中部病院

グリーフサークル@沖縄県立中部病院

グリーフサークルは参加者がグリーフへの理解や、気づきを深めながら、自身の喪失を見つめ、グリーフとの付き合い方や他者を支えるヒントを見つけていく体験型の会です。「座学かと思った」と参加者のみなさん。

遺族会のように、心の中の不安や、葛藤、辛さなどを、知らない人たちと共有しあう場は、まだまだ違和感があります。グリーフサークルでは、オリジナルのワークブックを使いながら、ココロのエクササイズ、振り返り、ディスカッションなどを通して、グリーフを体感しながら、学びます。座学に慣れていると「学ぶ」という形が居心地がいいので、座学のエッセンスも取り入れています。

心理的安全性があるグループで集うと、不思議なもので、忘れていた昔のグリーフを思い出したり、忘れていた情景や、気づいていなかった深い感情が浮かんできます。グリーフサークルでは一人の人間としてのお別れの歴史を振り返ります。

グリーフサークルはセラピーではありません。参加者が作っていくグリーフサポートコミュニティーです。参加した医師、看護師、心理士、福祉を勉強されるスタッフの皆さんから中部病院でグリーフサポートコミュニティーが広がりつつあります。

All reactions:

14Yoshie Sakemoto, Hisayo Sakamoto and 12 others

沖縄県立中部病院コンサルDay3

沖縄県立中部病院コンサルDay3

Day3はN I C U(新生児集中治療室)の看護師の皆さんへのレクチャーでスタートしました。N I C Uは親御さんや兄弟姉妹のグリーフに直面するストレスの高い職場です。さらに小さい患者さんが亡くなるのは、医療従事者のとっても大きな喪失です。

午後からはある病棟で亡くなった患者さんの死について多職種でカンファを持ちました。通常、医学的なことが焦点になりがちです。心理的安全性を整えることができれば葛藤、不安、罪悪感、グリーフなどが共有され、科や職種を超えたコミュニケーションが育つようになります。硬い雰囲気で始まっても、終わる頃にはモヤモヤがどこかに行っている。医療現場で一番必要なグリーフケアです。

沖縄県立中部病院コンサルDay2

沖縄県立中部病院コンサルDay2

朝7:30からのコアレクチャーでは高齢多死社会のトータルペインについてお話ししました。終末期に限らず、命に関わる病気、シリアスな慢性疾患を抱える患者さんたちは病状が増悪するたびに、いつかやってくる死を意識するものです。そこには肉体的苦痛を超えた、目に見えにくい苦悩が存在します。社会が大きく変化していく中で、医療従事者もまた「ウェルビーング」や「豊かに生きること」をどう支えるのかを考えることが求められていると感じています。これは医療従事者としてだけでなく、一人の人間として命に向き合うことです。プログラムディレクターの内原俊記先生や、病院長の玉城和光先生にもご出席いただき、身が引き締まる思いでした。

那覇からフェリーで約2時間の離島(粟国島)に2年おられた新村真人先生の事例発表は限られたリソースで総合的な医療を提供する中での、予期悲嘆への介入や、死後のグリーフ支援に関して話し合いました。(写真:ぜひ訪れてみたい粟国島)

子どもとグリーフ

子どもとグリーフ

子どもの頃のお別れを思い出して「そういえばあの時は辛かったな」と感じることはありませんか?私にもいくつかそういうお別れが浮かびます。子どもはグリーフに関して大人に放っておかれてしまいがち。その理由は「どうせわからないから」「何をしてあげたらいいのかわからない」「怖がらせるんじゃないか」というものから、大人自身、自分のことに精一杯で、子どものグリーフにまで目が届かないなどさまざまです。年齢にかかわらず子どもにもグリーフがあります。周りの大人はしっかりと見守り、目を向けてあげなければいけません。一緒に遊ぶとその内面の葛藤や不安がよくわかります。そして発育段階にあった言い方で正直に説明をしてあげるということ。曖昧だったり、隠せば隠すほど不安が大きくなります。

言葉にならないグリーフをしっかり理解して、支えてあげることで子どもの世界はもっと安心できるものになります。(写真1:Dougy CenterのHPから)

誰もが想像するNext Placeについて書かれた絵本。
沖縄県立中部病院コンサルDay1

沖縄県立中部病院コンサルDay1

那覇空港から車で約50分。沖縄県立中部病院は沖縄県がハワイ大学と連携して行うアメリカ式の研修医教育を取り入れている病院です。プライマリ・ケアを重視する臨床研修は、患者さんを総合的に診ることができる医師を育てているということです。そんな病院だからこそ、臨床心理の専門家である私が、歓迎されたのでしょう。

中部病院を一通り案内していただいたあと、午後から南部医療センター・こども医療センター(H Pから写真を拝借)に向かいました。子どものグリーフに関するレクチャーには、対面とズームで60人ほどの参加があり、関心の高さがうかがえました。P I C Uから事例発表があり、子どものグリーフ、家族支援、医療従事者へのサポートを考える機会になりました。

18:00からは中部病院に戻ってグリーフサークルの時間です。グリーフサークルはグリーフについて理解を深めながら、喪失と向き合い、グリーフとの付き合い方や他者を支えるヒントを見つけていく会です。日本にはまだない体験型の医療従事者向けグリーフケアの集まりに申し込んでくださった勇気ある多業種8名でスタートしました!

(写真:沖縄県立南部医療センター・こどもセンターHPより)