ズームdeグリーフサークル始まります

ズームdeグリーフサークル始まります

アメリカのホスピスでグリーフケアに携わっていた時は数カ所の病院と提携をして、月一回遺族会を開いていましたが、高齢者施設で入居者の方向けにこうした会の依頼を受けることがありました。

ただ集まってお話をするだけではなく、一方的にこちらが講演をするクラスでもないピアサポートのようなものを作りたいと考えて生まれたのが、「グリーフサークル」です。

最新の研究や、新聞の切り抜き、ポピュラーカルチャーからもヒントを得て教材を作り、テーマに沿って私が進行する形で、参加者の方のお話を紡いでいきます。時によっては、参加者の方のお話中心で会が進行していくこともあります。資料はあくまできっかけに過ぎないのです。配偶者の死、癌の宣告、老いと向き合うということ、痛みとの戦い、鬱と暮らしていくということなど、生きるということは喪失を重ねていくことだと実感しました。

来年1月から医療看護介護福祉従事者対象にグリーフサークルをオンラインで始めます。全6回で、10名という少人数制です。ご興味がおありの方は「グリーフサークル参加希望」というタイトルで、お名前、職種を添えてaki@akimorita-psyd.comまでお申込みください。詳しくは後日改めてご案内をいたします。オンラインですので、日本語を話す方であれば海外からもご参加いただけます。

第一回ヨーロピアングリーフ学会

第一回ヨーロピアングリーフ学会

9月21日から23日までコペンハーゲンで開かられた学会にはヨーロッパ、オーストラリア、日本を含めた27カ国から発表者が集まりました。

学会長のThe Danish National Center for GriefのTina Graven Østergaardさんと組織委員会メンバーのHeidi Müllerさん

私は「From One to Eight Million Gods: Observations on Bereavement by a Hospice Psychologist」というタイトルで、故人との魂の関係を繋いていくritualとしてハワイのLantern Floatingについてポスター発表しました。精霊流しは日本を超え、ハワイやニューヨーク、アイルランドでも死を悼む行事として開催されていました。ハワイでは宗教や人種に関係なく、毎年アラモアナビーチに5万人ほどの人が集まります(コロナが蔓延するようになってからは延期)。

ウォーデンはTasks of Mourningの中で、死を悼むプロセスについて書いていますが、Lantern Floatingにはその4つのタスクが全て織り込まれていると感じます。そんな喪の行事を通して魂の関係を紡いできたということをヨーロッパの人に知っていただく機会となりました。

たくさんの出会いがあり、学術的にも、個人的にも実りの多いものとなりました。次の学会は2025年にアイルランドで開催される予定です。

私は次の目的地ノルウエーに向かいます。

秋のヨーロッパツアー

秋のヨーロッパツアー

コペンハーゲンで開かられるEuropean Grief Conferenceに出席のために、企画し始めた「ヨーロッパツアー」。せっかく遠くまで行くのだからと、考え始めたら欲が出て、デンマークにとどまらずノルウェーにもスエーデンにもとどんどんツワーが膨らみます。Facebookなどでもアップデートしていきますので、是非そちらにもお立ち寄りください。https://www.facebook.com/aki.morita.9440

福岡医健・スポーツ専門学校特別授業

福岡医健・スポーツ専門学校特別授業

7月13日に福岡医健・スポーツ専門学校看護科の授業にお邪魔しました。福岡を訪ねるのは4年ぶりです。その時は先生方対象に「聞く力」について講演・ワークショップをさせていただきました。

今回学生さん対象の授業のテーマは「人生の最終段階を支える医療のあり方」。ちょうど老年看護の授業が終わったばかりというタイミングで、未来の看護師さんたちがどれほど重要な役割を担っていくのか伝わったかな。

あなただけのグリーフジャーナルを作ろう

あなただけのグリーフジャーナルを作ろう

最近は日本でもグリーフやグリーフケアに関する本を目にするようになりました。アメリカ(ハワイ)のホスピスでグリーフケアをしていた心理専門職の立場から『極上の別れの条件』を出版して、もう一年が経ちました。たくさんのご遺族の方から心温まる感想や反響をいただき、次はご遺族向けに執筆したいという気持ちが強くありました。ただ読者が読むだけのものではなくて、インタラクティブで、リフレクティブなもの。そう考えていると私がファシリテーターを務めていたサポートグループを思い出しました。読者が「読む」という一方的な関わりであっても、自分のペースで書き込んだり、考えたり、気づきを深めたりする作業を通して、私がファシリテーターとしてそこにいて見守っている様子を思い浮かべながら執筆しました。第二弾『あなただけのグリーフジャーナル(仮題)』。まだ出版時期は検討しているところですが、早くみなさんの元にお届けできればと思います。

カバーイメージ
JrSr市民講座:「極上の別れの条件」YouTube

JrSr市民講座:「極上の別れの条件」YouTube

一般社団法人JrSrはハワイ大学医学部の町淳二先生が国際的な日本人医療者の育成を目指して2014年に立ち上げられた組織です。その活動の一つである「未来の医師への贈り物」シリーズは、世界で活躍するさまざまな経歴を持った錚々たる方々が登場し、医学を目指す若い世代にメッセージを送っています。はや57回まであります。私は第4回目にお招きいただき「グローバル社会に不可欠な2つの力」というタイトルで登壇させていただきました。大人でも、医学を目指していなくても楽しく学べるシリーズです。ぜひご覧になってください。

https://www.youtube.com/channel/UCw0GEk0HKNPEqdIBIEghwwQ/videos

JrSrは市民向けにも講座を開講していて、第2回市民講座(2021年7月)にお招きいただいた講演「極上の別れの条件」が最近YouTubeにアップされました。

極上の別れに出会うたびに、そこには科学と神秘と奇跡が折り重なっていることを実感します。私たちにできることは「生きること」「知ること」「惜しむこと」「ゆだねる」こと。気づかせてくださったのは多くの終末期の患者さんたちです。

医療介護福祉従事者向けグリーフグループ始まりました

医療介護福祉従事者向けグリーフグループ始まりました

その名も「グリーフサークル」。

重篤な患者さんをケアされる方や、看取りに関わる方は、業務に追われ、患者さんがお亡くなりなっても死を悼むいとまがありません。仕事が優先で、グリーフは個人任せというのが暗黙の了解です。けれどもグリーフが仕事の生産率やケアの質などに大きく関わっているとしたらどうでしょう。

American Journal of Nursing (July, 2019)ではグリーフ支援の欠如はこれほどの影響を組織に与えると指摘しています。

① 欠勤・退職 ② 生産性の低下 ③ ケアの質の低下 ④ モラルの低下 ⑤ その他の健康問題

米国では、現場で動く従業員のために、グリーフケアを提供している病院や在宅ホスピスがいくつもあります。私が勤めていたホスピスでは不定期で有志で集まって話をする機会を作っていました。

日本で提供していくグリーフサークルは、私がこれまで遺族やスタッフ、コミュニティー向けに提供してきたサポートグループが原型となっています。6回シリーズで、毎回テーマにそったレクチャーを交え、少人数で(20名以下)グリーフについて理解を深めながら、死別の喪失による悲しみや、辛さ、やるせない思いを言葉にし、気づきを深め、死を悼むという作業を共に歩んでいきます。講演形式ではなく、参加者一人ひとりの存在や参加がグループの大切なエッセンスとなります。

トピックは参加者の方の状況や、環境なども考慮しながら組織や団体にあったものを考えていきます。今回始まったグリーフサークルの6回のトピックは「自分のグリーフを知る」「グリーフの道のり」「セルフケア:快眠のために」「大切な人を悼む」「大切な人を支える」「命の意味」です。

「うちの施設や組織でもぜひグリーフサークルを作りたい!」と思われる方はぜひご相談ください。

**現在は団体のみで個人の参加は受け付けておりませんのでご了承ください。

講演が新聞に掲載されました 

講演が新聞に掲載されました 

先日北海道こどもホスピスプロジェクト様にお招きいただいた講演会の模様が地元の北海道新聞に掲載されました。「喪失の苦悩 抜け出す過程大切」という見出しには講演のエッセンスがうまくつまっています。それはまさしく5月に出版した『極上の別れの条件』のメッセージでもあります。

ブックツアー始まりました:北海道編

ブックツアー始まりました:北海道編

ブックツアーの皮切り、北海道こどもホスピスプロジェクト様主催の講習会にお招き「グリーフケアを学ぶ」というタイトルお話をさせていただきました。

グリーフに関する講演には、実際大切な方との死別を体験されていたり、患者さんやご家族の支援に関わっている医療従事者の方がたくさんいらっしゃいます。できるだけ参加いただいた方のためになるように、内容や構成も変えるようにしています。今回は1)グリーフについて、2)子供を亡くした家族のグリーフ、3)グリーフを生きる、4)大切な人を支える、5)死の先にあるものという内容でお話ししました。

ブックサイニングの際にお話をしてくださった方々がいます。それぞれの方がそれぞれの形で死を悼み、愛する人と心で繋がり、グリーフと共に歩んでいらっしゃいました。「今日来て本当によかった」といってくださるのは何よりの誉め言葉です。

紀伊國屋書店30店舗フェアに「極上の別れの条件」登場!

紀伊國屋書店30店舗フェアに「極上の別れの条件」登場!

9月15日から1ヶ月間30の全国の紀伊國屋書店で販売フェアが行われます。コロナ禍で書店に出かけて本を手に取るという機会が少なくなりました。書店は私の大好きな場所の一つです。特に買いたい本がなくてもふらりと立ち寄るだけでそこには日常とは違った世界が広がっています。いい本に出会うとウキウキワクワクします。

「極上の別れの条件」は手に取ってウキウキワクワクする本ではないかもしれませんが、読者の方からさまざまなご感想をいただいて、その度に胸が熱くなります。大切な方を亡くされて「その時にこの本と出会っていれば違ったお別れができたのに」や、「泣きながら読んだ」「生きることを支える一冊」など、色々なコメントをいただき、家族でお読みいただいている方もいらっしゃいます。

不思議と多くの人に読んでもらおうと思っていた頃は、なかなか内容や構成が定まらず、投げ出してしまいそうな時もありました。考えすぎず、「誰か一人の人のために」自分の書きたいことを書こうと決心してからは、伝えたいことが自然と溢れだしました。

本が読まれるようになり、心温まる感想に励まされると、「もっと多くの人に読んでいただきたい」と思うようになりました。また機会がありましたらぜひ皆さんのご体験やご感想などをお聞かせください。